りんごをよりおいしく
いただくには
りんごをおいしくいただくには、冷やしてからいただくのが一番です。どんな果物も冷えていたほうが美味しいものですが、りんごのそれには根拠があります。りんごのような果実の甘味成分は、ブドウ糖や果糖です。このうち果糖にはα型とβ型があり、β型はα型の3倍も甘くなっています。りんごを冷やすと、この果糖のα型が更に甘いβ型に変化するため、甘いと感じるだけでなく、本当に甘くなるので、よりおいしくいただくことができるのです。逆に50度以上になると、今度は甘味が少なくなってしまいます。りんごはすぐに食べきってしまったほうがいいですが、残ってしまった場合は、ビタミンCの酸化をできるだけ防ぐために、皮をむかずに切り口はそのままかごく薄く塩を塗ってぴったりとラップにくるみ、空気に触れないようにして冷蔵庫に入れます。りんごの切り口はそのままにしておくと褐色に変色します。これは空気中の酸素によって酸化酵素が働き、りんごのタンニンなどのポリフェノール類やビタミンCを酸化させるためだそうです。これを防ぐには、薄い食塩水にりんごをつけて酸化酵素の働きを押さえます(よくお弁当などに持って行くりんごを、変色しないようこうしてつけておいたことはないでしょうか)。ただ長く漬けすぎると、各種のビタミンや無機質、糖分といった栄養が水に溶け出してしまうので、注意が必要です。